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科学的根拠に基づいた腸内環境の本【「腸内酵素力」で、ボケもがんも寄りつかない】

 農学(微生物遺伝子化学)博士として、腸内細菌の研究をしている著者による『「腸内酵素力」で、ボケもがんも寄りつかない』(高畑宗明著、講談社

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 流行りの腸内環境について、最近読んだ中で、最も学びが多かった本です。

 

 

 よくあるこれは何を根拠に書いてあるんですか?な本ではなく、エビデンス(科学的根拠)に基づいた内容なので説得力があります。

 

 

 今回は【学び】が多く、シェアしたいところが多いので、何回かに分けてお伝えします。

 

 

 【今日の学び】

 

腸内環境の悪化による腸の疾患の増加

  

大腸がんによる死亡者数は、1998年から2013年までの24年で年間約2万3000人から約4万8000人に増え(独立行政法人国立がん研究センター)、女性では、がん死亡原因の第1位(男性は第3位)となっています。

 

 大腸がん以外にも、潰瘍性大腸炎過敏性腸症候群など腸の疾患が日本人には増えており、これらのことが腸内環境の悪化が原因であり、日々の腸ケアが健康的に若々しく生きる秘訣であると著者が【はじめに】で書いています。

 

 

 

 今流行りの酵素栄養学には根拠がない

 

エドワード・ハウエル氏が提唱した理論ですが、「人間が生産できる酵素の量は決まっている(だから、酵素を節約すると長生きできる)」「消化に使われる酵素を節約するために、酵素が含まれる生の食品を摂取しよう」という主張をしています。

 この理論はわかりやすいのが特徴ではありますが、それを証明する実験や論文はほぼ存在せず、微生物学や農学といった分野の科学者・研究者からはまったく信頼されていません。

 また、食品から摂り入れた酵素が、そのまま人間の体に定着することもありません。

 

  

 この理論はよく耳にしていましたが、

 

 

 酵素たんぱく質の一種である為、摂取しても、アミノ酸に分解されてしまう。

 

 

 という学校で学んだ基礎栄養学との矛盾を感じ納得できていなかったので、これを読んでスッキリしました。

 

 

 女性に大人気のコラーゲンも同じであり、一時期コラーゲンボールなるものを鍋に入れることが、とても流行りましたが(今もありますが)、口から摂取したところで、アミノ酸に分解されてしまうので、肉を食べることと変わらないということです。

 

 髪の毛を食べたら、髪が増えるくらいトンデモナイ理論です。

 

 

 酵素なくして生命活動は保てない

 

 この膨大な数の酵素を大きくふたつのグループに分けると、ひとつが食べ物の消化・吸収を助ける「消化酵素」、もうひとつが体の正常な働きを保つための「代謝酵素」です。

 

 二つをまとめると、

 

 

 例えば唾液に含まれる炭水化物分解酵素などがあります。

 

 この酵素によってお米は体内に吸収できる大きさにまで分解されることで、エネルギーや体の材料として利用することができるようになります。

 

 

 吸収された栄養素が、有効に使われるための働きを仲介する働きがあるものを言います。

 

 

 この2つのグループの酵素がないと私たちの生命活動を保つことはできないので重要だが、私たちが体の細胞から作り出す酵素よりも、腸内細菌がつくる酵素のほうが、はるかに多いからこそ、腸内環境を整えることが大切であると著者は書いています。

 

 

腸内環境を整える4つの習慣

 

『1.和食を選ぶ』

 

腸内細菌のパターンは、世界の地域ごとにそのタイプが異なります。

 日本人の腸内細菌パターンに合った、和食を中心とした食生活がおすすめです。また、和食にはバランスよく自然の食材が含まれているため、腸内細菌にさまざまなエサを届けることにつながります。

 

 住んでいる地域によって、合う食事は違うという考えは、今までにもよく耳にしていましたが、地域によって腸にいる腸内細菌のパターンが違うからという理論は納得です。

 

 

 日本人は長年和食が基本の食事として生活をしていたからこそ、私たちの腸内細菌も和食を好む構成になっているはずですよね。

 

 

 肉や油脂の多い料理などが日本の食卓に並ぶようになったのも、ここ100年くらいのことです。

 

 

 腸内細菌が対応できずに、健康に害を及ぼしているのも当たり前な気がします。

 

 

『2.発酵食品を食べる』

 

伝統的な手法でつくられている発酵食品(納豆、味噌、ぬか漬けなど)は、栄養素が豊富なだけでなく微生物多様性が大きいため、乳酸菌などの多様な菌を取り込むことができます。

 

 多様な菌を取り込んでいる人のほうが免疫のバランスがよく、有病率が低い傾向にあります。

  

 私は毎日味噌を使い、ぬか漬けを自分で漬ける生活をここ何年かしていますが、確かに風邪はほとんどひかなくなりました。

 

 

 食品添加物はほとんど摂取しなくしたり、体に合わない食品は摂取しなくしたりと、同時に色々と変えてしまったので、どれが良かったのかわからないのですが・・・

 

 

 そもそもプラセボ(思い込み効果)の可能性も否定はできませんが、何はともあれ体調が良くなったことは間違いありませんし、発酵食品は美味しいので全く苦ではありません。

 

 

 著者によると、発酵食品なら何でもokというわけではなく、大量生産しているタイプのモノは、特定の菌しか使っていないため、オススメできないとのことです。

 

 

 自分自身はもちろん、栄養指導でも、私は味噌や麹などの調味料は、安い大量生産のモノではなく、良いモノを使うことをオススメしています。

 

 

『3.良質な油脂を取り入れる』

  

油脂(油)と聞くと「太りそう」「体に悪そう」と思われがちですが、良質な油脂は細胞やホルモンの材料であると同時に、良好な腸内環境づくりにつながります。

 現代人は、揚げ物や加工食品などに多く含まれる、体に炎症を起こすタイプの油脂の過剰摂取で、腸内環境バランスを崩している人が少なくありません。 

 揚げ物や加工食品は控えて、オリーブオイルや亜麻仁油、ココナッツオイル、青魚に含まれるDHAEPAといった、不足しがちな良質な油脂の摂取を心がけましょう。

 

 一時期、あまりにも油脂を控えすぎて、肌のカサつきと便秘になったことがあります。

 

 

 揚げ物や加工食品はほとんど摂らないので、代わりにミックスナッツをおやつにしたり、必須脂肪酸であるα-リノレン酸が含まれるチアシードを豆乳ヨーグルトにいれたりすることで、今は意識的に良質な油脂の摂取を心がけています。

 

 

 お腹も肌もバッチリ快調です。

 

 

『4.抗菌・滅菌しすぎない』

 

 過剰な衛生管理は、多様な菌に触れる機会を少なくしてしまいます。経済発展と腸の病気のリスクは比例しているので、衛生的すぎる環境には要注意。

 

 もちろん食中毒菌などには注意は必要ですが、あまりにも気にしすぎると体に必要な菌たちも滅菌してしまうので、完璧ではなくテキトーも必要ってことですね。

 

 

 これが著者による腸内環境を整える4つの習慣です。

 

 要は田舎で、魚や発酵食品を利用した日本の伝統的な和食を中心とした生活が、腸にとって良いということですね。

 

 都内に住まれている方は、田舎暮らしは難しいと思いますが、その他に関して、はじめてみてはいかがでしょうか。

 

 長くなってしまいましたので、続きは次回に書きます。